HOME > racing competition

衝撃デビュー

2009年の春、「耐久レースに出てみようよ!?」って話が持ち上がった。ファミレスに集まった最初の5人、単純に「面白そう!やってみよう!」ってかなり軽快なノリでスタートしたNON団レースプロジェクト。当初は「NON団M組」って名前だった。
クルマはタダで手に入る、エントリーフィーは5万円。5人だから1人1万円?いやいやパーツだタイヤだって掛かるから1人5万円をなんとか捻出して、20万円でクルマを仕上げてエントリーしようぜ!って事で話がまとまった。
しかし・・・ココからは大変だった。タダで手に入れたクルマはK11マーチ、16万キロ走行車。車検が切れて使われずに放置されてたヤツだ。柿の木の下で1年ほど雨ざらし・・・勿論手入れなんてされてない、とても素手では触れないような状態で閉口した。洗車に次ぐ洗車を繰り返してようやく現状確認。バッテリーを繋いでもすんなりとエンジンは掛からない・・・ドラシャブーツが破けてる・・・修復箇所が多くて、予算と時間が限られる中2009年の筑波耐久レースシリーズ戦、第2戦に間に合うようになにしろ突貫工事でクルマを仕上げた・・・
レースの日、なんとか走れる状態でサーキット入りしたものの、テスト走行は一度もしてない。予選がテスト走行って状況だった。案の定、デスビトラブルが発生!コース上でエンジンが止まってピットにも戻れず。結局予選の計測タイムはタイヤを温めてた数周分ので完全無欠のビリッケツ。
その頃はスペアパーツなんかも持ってないし、コレで終わりか・・・あっけないなぁ・・・と思ったのに!なんとライバルチームさんからパーツを貸して頂けることになった!決勝レースまでの僅かな時間でデスビ交換&調整、他の点検もままならない状態でスターティンググリッド最後尾に並んだ。ちなみにその時点でチーム全員が自動車レースは初体験(笑)。スターティンググリッドに並べた喜びより、これから始まる決勝レースへの不安の方が大きかったのだ。
レギュレーションの甘い草レース。他チームの参加車両は完全に仕上げれたバリバリのレース専用車両、我らがマーチはほぼノーマル(ロールバーと中古のバケットシート・ベルト・ステアリング・車高調とタイヤのみ、マフラーすらノーマルだった)。
ところが耐久レースは速い車が勝つとは限らないのだ、給油やタイヤ交換を含めたピット戦略(我々は無給油・タイヤ交換無しというビンボー戦略だった)、ラップタイムでは到底敵わないライバルカーがトラブルで次々と戦線を離脱していく中、トコトコとまったくマイペースで走りきった我らがNON団マーチがなんと初参戦初優勝という衝撃のデビューを成し遂げた!!

勿論、各担当ドライバーは精一杯以上の渾身の走りを続け、それでもクルマをいたわり我武者羅に楽しんだ結果だ。
表彰台の一番高いところで、皆から祝福を受けた事はいつまでも忘れられない最高の思い出だ。

レースの意味

デビューレースで優勝という、マンガみたいな結果に有頂天になるメンバー。
この喜びはヘンな方向に進む・・・マシーンの性能向上・ドライバーのスキル向上・チームとしてのレーススキルの向上を第一に考えなくなった、つまりレースを安直に考えるようになったのだ。勿論初レース出場に向けてのモチベーションは凄く高かったし、必死だった。ソレでもレース内容としては「タナからボタ餅」でゲットした優勝、実力で勝ちをもぎ取った訳では無かったのだ、ソレを自分達が冷静に見極めてなかった。。。
2009年シーズンの3戦目以降のリザルトは目立つものが無かった(シーズン中にレギュレーションの変更があり、ソレが不利に働いたりしたのも一因)。
2010年のシーズンはフル参戦を目指して新体制をとった。
まずNON団M組を「ひよこ隊」「さくら隊」の2チーム制に改編し、車両も2台体制に!ドライバーラインナップも増えた。「ひよこ隊」はニューマシーンを投入、「さくら隊」は09年マシンを大幅モディファイ。
「ひよこ隊」はあくまでもレースをプライベート体制で楽しむため、ドライバーを中心にメンバー4~6名で構成し、車両メンテナンス・運搬など全てを独力で臨む!
「さくら隊」は勝つ事を最優先の目標として、車両製作・メンテ・運搬などをプロのレース屋さんにお願いする、メンバーもドライバー2名のミニマム構成で戦うことに。

このチーム編成は2011年シーズン後半まで続き、毎回ドラマチックで泣き笑い波乱万丈に富んでいた。チーム内で2グループ、同じレースで戦うワケだからマシンもドライバーも実力もグングン伸びてリザルトでも上位グループに名を連ねるのも珍しい事では無くなってきてた・・・しかし、当初勝つ為にと構成した「さくら隊」は勝てないレースではモチベーションを下げ、一緒に戦う仲間にそのフラストレーションをブツけたり、マシンの修繕費を捻出するのが困難になってきたりと楽しい筈のレースに苦痛を感じるようになってくる。結果、2011年シーズン最終戦前に「さくら隊」2名構成のドライバーひとりがチームを離脱、事実上さくら隊は消滅した。

そして2011年、シーズン最終戦を控える時期にNON団レースプロジェクトは3度目のチーム改編に踏みきるのである。
NON団M組がレースプロジェクト名そのものだったのが、「NON団競技部」をレースプロジェクト名とし、M組は従来のメンバー+1名で再結成、新たにS組という若手中心のメンバーを編成し2台体制はキープした。この3度目の改編が現在の雰囲気を生んだ!明るく楽しく元気良く!若手チームは先輩チームを追いたて、先輩チームも経験と意地(笑)で若手を引っ張る・・・共に切磋琢磨しライバルチームに脅威を与えている。
まぁ実際のレースは・・・まだ実力を発揮しきれず11年の最終戦も12年度シーズンもチームとして芳しいリザルトは残していない、しかし、チームとしての結束力は格段に向上し行動力に現れるようになった。行動力、これはすなわちモチベーションの高さであり我がチームが誇る原動力に他ならない。

つまり結果ありきではない(勿論そこも大事で最高の結果を目指して活動しているワケなのだが)真剣に向き合う「遊び」で、どれだけ楽しめるか?それはたったひとつの目標に向けて仲間達と分かち合う時間、レースの時だけではないのだ、その準備や車両整備、雑多な作業やミーティングなどメンバーが集まれば自然と密度の濃い時間を共有するのだ。そういう「熱い想い」がNON団競技部におけるレース活動の意味だと思う。

それはWEBじゃ伝わらない

NON団競技部の活動はオープンだ、実際のレース日の応援は勿論、準備活動でもオフ会の体をもって誰でも気軽に参加出来るのだ、マシンのセットアップ等一部公開出来ない(ライバルチームとの絡みがあるからね)事もあるが、車両整備デーも公開してるし実際の車両とそのセットアップも間近で見れる!裏方作業までもオープンなのだ(笑)
ライバルチームと戦う為だけに仕上げられる車両・・・それはエンジン製作・ミッションやデフの組立て、ボディメイクや足回りのパーツチョイス・セットアップ等々多岐に渡るが、WEBでは紹介しきれないこうした活動も是非目の当たりにしてほしい、我らチームの情熱に触れてほしい。
普段は皆、自身の仕事や家族といった世界に身を置き各々の生活の中で生きている、色んな苦悩を背負ってたり決して順風満帆な生き方だけでは無い。そうした中でメンバーが結集してレース活動(裏方作業も勿論その一部)を楽しむ、これこそがドラマチックで魂が震えるマテリアルなのだ。
オープンな活動を通して、その感動を広く伝えたい。
レースの醍醐味はドライバーだけが味わうものではないのだ。実際に参加してくれる全ての者に・・・湧き上がるような高揚感をカラダの芯から感じてもらえると思うのだ。


   CAR CLUB

幽霊団員なんていらないゼ!
おもッきりマジメにハジけるゼ!
コンパクトカーで遊ぶゼ!
ナンでも楽しんじゃうゼェ~!